-Abbey Road-

みちをはみちをの道を行く。

【pt91】プロに頼まなくてもできる?!ヴィンテージエンジニアブーツ、セルフリペア法!!

どうも。みちをです。

今回紹介するのは「エンジニアブーツのセルフリペア方法」です。

先日あげたように

 

mitiwo.hatenablog.com

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私は春休みの間、エンジニアブーツを履きまくったわけなのです。

エイジングするかな?という単純かつ馬鹿げた動機でね。

まあエイジングはした、というのが結論ですが…一つ困ったことになったのです。

 

  • シャフトのほつれ
  • 甲のベルトのダメージ
  • 紙製インソールのはがれ

 

シャフトがほつれている。写り悪くてすみません……。

ベルトも切れかかっている。

踵が釘のせいで劣化し、汚いし、剥がれかかっている

 

 

これはヴィンテージエンジニアユーザーが必ず通る道ではないでしょうか。

特にシャフトのほつれ。pt91はシルエットが細いので、余計ですね。

 

ちなみに。

そもそもこの靴は美中古品を購入し、レッドウィングpt91と交互に履いていたのですが、

ワイズが狭く、レッドウィングの方を手放してしまったのです。

なので余計こっちばかり履いて、ぼろになってきてしまった、という裏話もあります。

レッドウィングpt91のレビュー記事は以下のリンクより。

 

mitiwo.hatenablog.com

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一旦話がそれます。

ゴールデンウィークですね。

日本は世界で一番休みの日が多い国なんですよ!!(誤解してました。ドイツが最多のようです)

私は相も変わらず大した予定もなく、時間を持て余しているのです。

これを使って、ちょっとしたダメージの1つや2つ治してやろうと思い立ちました。

カスタムするときについでにプロにやってもらおうかとも思いましたが、

ソールもまだ残っているし、今できることは今のうちにしておこうかと。

実は私、前に何度かレザークラフトに挑戦したこともありまして、

道具は一応、僅かなりに揃っているのです。

針と糸、そして当て革もあるし、なんとかなるだろう!!

 

 

 

1 下準備

まずリペアの前に手入れをしましょう。汚れたまま縫うのもちょっと抵抗あるので。

ですのでまず必要なものを以下に記します。というか、自己流の手入れですし、

第一「靴好き」の方々には言うまでもないとは思いますが、一応。

 

・クリーナー/濡れ雑巾

・馬毛ブラシ

・ミンクオイル

ペネトレイトブラシ

(ちゃんとしたクリーナーが切れていたので、

百均のウェットシート的なクリーナーで代用…)

 

 

順序としては以下の通り。

 

  1. ベルトを全て外す。
  2. 馬毛ブラシを使い埃を掻き出す。
  3. クリーナーを使い革の汚れを落とす。
  4. ついでにソールも拭く。
  5. オイルをペネトレイトブラシで塗る。
  6. 茶芯レザーは革の銀面(=表面)が厚い皮膜で覆われているため            オイルの浸透がしにくいので、しばらく待つ。
  7. 浸透したらもう一度ブラッシングをし、完成。

 

今回は、結構ハードに履き込んだことによりオイルが抜けているので

たっぷりオイルを塗って1日寝かします。

これは革が硬化しているブーツにも効くかと思います。

(特に激しく硬化している場合は革のコバ=裏側にも塗ることで効く。

しかしカビのリスクは増えるので注意)

 

 

ではベルトを外します。

汚れているので念入りにメンテナンス。

 

オイルを塗りました。割とこってり塗りました。

ベルト部分は負荷がかかりやすいので念入りに。

 

では、一晩寝かします。

 

 

寝かし終えました。全体的にオイルを吸ってマットな表情になっているのがわかります。

ではリペア開始といきますか。

 

2 インソールリペア

 

まずはインソール補修から。

紙製インソールは割れやすいのです、本当に。

しかも革製インソールのようにオイルを塗ってメンテナンスすることもできない。

困ったもんだ。これはpt91ユーザー全員思っているのではないでしょうか。

ですがみちをのものは踵のみがダメージを受けていたので、

とりあえず踵を治すことにいたしました。

釘が浮いています。しかも錆びており、腐食しています。

そもそも、エンジニアブーツのヒールは釘で固定されています。

それが履き込むと、足の重さで圧がかかり、ぐいぐいと押されてしまい、

ついにインソールを食い破って出てきてしまうわけです。

ですのでこれもまたエンジニアブーツユーザーとは切っても切れぬ関係。

この踵、何気に痛いのでなんとかしたい。

ですので踵部分の型紙を作ってレザーで当て革をしようと思います。

ですが靴の中ですのでなかなか型紙が作れない。

どうしようかと考えた末に、強硬手段を取ることにしました。

まず、市販のインソールを入れて1日ほど歩きます。

そうすることでインソールに踵部分の跡がつきます。

それを切り取るのです!!

 

はい。これが切り取ったインソールです。ちょっとガタガタしてますが、まあご愛嬌。

これをもとに革を切っていきましょう。

使うのは安い革。芯材を挟んで補強された革ですので厚みはありますが、

エイジングは全く期待できません。

まあ、靴の内側だし、第一応急処置なので問題はないですね。

これに瞬間接着剤をくっつけ、貼り付けます。

(オリジナルの紙製踵インソールは剥がしました)

これで当分安心して履けます。

(今気づいたのですが、靴内部も元々茶色だったのを黒のエアブラシ?で染めたようですね)

 

 

3 ベルトの切れ補修

今回は光沢のある茶芯レザーを使います。

まず、補修するベルトの幅を定規で測ります。

そして…

これを…

さらに…



ベルトを補修する分だけ切れました。

これに次は穴を開けていきます。

穴を開けてから縫わないと、革が硬くて針が通らないのです。

今回は1.5mm間隔のヒシ目打ちを使って穴を開けます。

ハンマーでガンガン叩いて穴を開けました。

次に、ベルトにこれと同じ数だけ穴を開けます。これがまた難しいんですが、板をベルトの下にかますことでなんとかできました。

(写真は穴を開け終える途中のもの)

 

では縫っていきましょう。レザークラフトの針は普通の裁縫の針と同じ糸の通し方ではないので少しコツが必要です。

1. 普通に糸を通し、 糸の先っぽを針に刺す

 

2. 刺した糸の先っぽをもう一度刺す

 

 

3. 糸を下から引っ張る

これを糸のもう片方の端っこでも行います。

それで縫っていくわけです。

(縫い方についての説明は長くなるのでここでは割愛しますが、

イメージ的には返し縫い?っぽい感じかも)

 

縫い終わりました。ロウビキのロウが飛び散ってかなり汚く写ってます。すみません…。

 

シャフトも、糸を使って縫い直しました。角度的にも大変でなかなか縫いづらく、

写真を撮る暇もなかったですが、作業自体はシンプルで、慣れればすぐできるかも。

 

 

4 ついに完成!!

 

ベルトの穴の部分も裂けかかっていたので縫いました。こちらはあて革なし。

 

シャフトの縫い方を間違えてしまいましたが、まあいいや…。

またダメージが出てきたら縫おう。いかにしても疲れた。

 

みちをはレザークラフト経験者ですが丸一日かかりました。

正直チャチャっとやるレベルではなかった…。形にこそはなったものの。

工程自体すごく楽しかったし、靴の構造を(氷山の一角ですが)知れたので

すごくタメになりましたが、ぶっちゃけそこまで勧めはしません。

まあまあ大変です。仕上がりが気になる方は正直やめた方がいいかも。

ですがレザークラフト経験者さん、または自分で直すというバイタリティのある方は

やってみたらかなり面白いと思いますよ。

 

 

 

さて。春なのにこんなに暑い日が続いていますが、

また今日からガシガシ履いていこうと思います!!

長文になりましたがご覧いただきありがとうございました。

ではまた。